Agile Japan 2011(東京会場)( #aj11 )参加メモ

Agile Japan 2011(東京会場)へ参加した際のメモです.

■日時:2011/04/15(金) 09:30-21:00
■場所:IBM箱崎本社,T-CAT(懇親会)
■参加者数:200名位(東京会場のみ)

■資料

■プログラム(すべてのプログラムは http://www.agilejapan.org/program.html 参照)
□9:30‐9:50 モーニングチュートリアル
 アジャイル開発の適切な運用に向けて〜IPA/SEC非ウォーターフォール型開発WG検討成果報告の概要〜
 スピーカー:山下 博之 氏(IPA / SEC エンタプライズ系プロジェクトリーダー)
 コーディネーター:平鍋 健児 氏(株式会社チェンジビジョン 代表取締役社長)

□9:50-10:00 オープニング

□10:00‐11:00 キーノート セッション1:
 Fearless Change - 不安を乗り越えて組織改革を推進するには
 リンダ・ライジング 氏(独立コンサルタント)

□11:00‐12:00 キーノート セッション2:
 立ち上がれ、「義理・人情プログラマ
 UNIX哲学原点回帰による「使う人」「作る人」の二人三脚開発のススメ?
 當仲 寛哲 氏(USP研究所 代表取締役所長)

□13:00‐14:30 T-1
 「アジャイルコンサルタントの秘密(エンタープライズアジャイル編)
 〜東京会場の方だけにこっそり教えるアジャイル組織導入の勘所〜」
 牛尾 剛 氏(匠Business Place)

□14:40‐16:10 T-2
 「CMMIってWF専用モデルだと思ってませんか?〜AgileCMMIもビジネスゴールは同じ!つなげて、広げよう!〜」
 天野 勝 氏(株式会社永和システムマネジメント)
 江端 一将 氏(株式会社Odd-e Japan)
 乘松 聡 氏(有限会社乗松プロセス工房)
 松浦 豪一 氏(株式会社富士通マーケティング)
 ファシリテーター:前川 直也 氏(パナソニック株式会社)

□16:20‐17:50 T-3
 「アジャイル×テスト開発 in Agile Japan」
 細谷 泰夫 氏(XPJUG関西)
 湯本 剛 氏(日本ヒューレット・パッカード株式会社)

 パネラー(50音順):
 天野 勝 氏(株式会社永和システムマネジメント)
 永田 敦 氏(ソニー株式会社)

■イベント概要&感想

  • オープニング
    • 今回,311に地震があった上に,サテライト会場に仙台を含んでいたことから,開催を非常に悩んだ様子が垣間見えたオープニングでした.また,人と人との繋がりに価値があるのではないかという話は,勉強会などに参加していて,もやっと時々感じていたことを明確にした話で,すっと腑に落ちました.きっと,勉強会などは,その場の技術テーマや各自が保有する技術について学んだり,感じたりするだけでなく,そのような場にいる人達の関係を結んだり,そこからまた新たな価値を生み出したりする場なのではないかと思います.今年のアジャイルジャパンのテーマ,"広がる-つながる-動き出す"はそれらを端的に表しているのかもしれません.
  • キーノート セッション1:
    • Fearless Changeの著者の一人である,Linda Risingさんの講演でした.英語の講演でしたがLindaさんが非常にゆっくりかつわかりやすい言葉で話されたので,多くの人が理解しやすかったのではないかと思います.また,平鍋さんのその場での通訳と,安井さんによる日本語訳した資料が皆の理解を促進させたのではないかと想います.
    • Lindaさんの講演では,組織に何かをおこなってもらう際に大切なんじゃないかと思っていたことを結構おっしゃっていて勇気づけられました.変わることは難しいこと・小さな単位でいいのでとりあえずやってみること・感情を大切にすること・抵抗者の意見を聞くことなど,意識して行動しようと思いました.
  • T-1「アジャイルコンサルタントの秘密(エンタープライズアジャイル編)〜東京会場の方だけにこっそり教えるアジャイル組織導入の勘所〜」
    • アジャイル手法などなどのコンサルタントとして著名な牛尾さんによる講演でした.講演のつかみのところでの「アーーージャイル」など,聴衆を楽しく巻き込みながらも,組織への技術導入に関する経験や重要な技術を隠すことなく披露してくださった,私にとってはとてもとてもためになった講演でした.
    • Lindaの話にもありましたが,技術導入は他の人にやってもらうことが目的であり,難しさであることを,あらためて認識しました.また,導入自体は「アジャイルではない」という話は,大きな気づきでした.技術導入こそ,相手の立場で考える事が大切であることを認識する講演でした.
  • T-2「CMMIってWF専用モデルだと思ってませんか?〜AgileCMMIもビジネスゴールは同じ!つなげて、広げよう!〜」
    • CMMIアジャイルの熟練者による,CMMIアジャイルに関するディスカッションでした.SPI2010のパネルディスカッションの第2弾という位置づけで,SPI2010の時とは異なり,あまり事前に打ち合わせをおこなわず,その場の発散を楽しむというディスカッションでした.
    • 乘松さんの話を聞いていて,CMMIの心は「今の状態を把握して改善に生かしましょう」ということがわかり,納得するとともに,開発力の指標としてCMMIが使われている現状はだいぶずれてしまっていると思いました.
    • ディスカッション自体は,その場の発散を楽しむという感じでしたが,方向づけなく発散してしまったかなと感じました.
  • T-3「アジャイル×テスト開発 in Agile Japan」
    • テストで著名な方々による,アジャイル開発におけるシステムテストをいかにおこなうか/考えるかというディスカッションでした.ただし,テストに関して詳しくない人も多いだろうということで,湯本さんによるテスト設計などのテストの基本的な話もありました.
    • アジャイルテストの4象限モデルでは,開発コンテキストに依存する結合テストシステムテストマッピングされておらず,実際会場でもアジャイル開発をしている人は多くともシステムテストまで自動的におこなっている人は極めて少ない状況でした.
    • システムテストの中には,構成や判定の点から自動テストが難しいものが存在することもあるため,どの部分を自動化し,どの部分を手動でテストするかをきちんと開発者とテスターが議論して,決めていくことが重要なのだな感じました.アジャイル開発がより効果的になっていくには,開発者とテスターの垣根がなくなっていくことが大切なのかもしれません.