「デザイン思考が世界を変える」読了

とても良い内容の本でした.そのせいもあって,読了まで時間がかかってしまいました.


この本で書かれていることは,Agileなどと同様,社会の変化が早くなってきたことによる,新たな発想・考え方・行動なのかなと思います.なので,デザイン思考で考えれば,すべての事柄がうまくいくというようなものではないでしょう.ただし,適用できることは多いので,このような考え方や行動がとれるようにしていきたいと思います.


下記に気になったところをメモ.

  • 結局プロトタイプすることで得たいものは,それを使う/使った際の気づきやメリットの早期判定.
  • 作るもの自体の質に価値はない.使ったことによるメリットがすべてで,それを満たせるのであれば簡単に早く,安く作れることは大事.
    • この辺は先日のAgile2010で話のあったoutputの最大化ではなくoutcomeの最大化しつつoutputの最小化を目指すことと同義の気がする.
  • 制約「技術的実現性」「経済的実現性」「有用性」を解決するのではなく,バランスをとる.
  • イノベーションは着想,発案,実現の空間の行き来.
  • 適度な制約が設けられた概要書は画期的なアイデアに沸き立つチームを生み出す.
  • いかなる個人よりも全員の方が賢い
  • 前もって許可をもらうのではなく,あとから許可を求める方が良いとされる文化
  • 教育をおこなったあとに再び組織に戻って,教育の成果を実践できるよう手はずを整えておくべき.
  • プロジェクト・ルーム大事
  • 「デザイン思考家」の仕事とは,人々が自分でさえ気づいていない内なるニーズを明らかにする手助けをおこなうこと
  • ボトムアップ型の実験とトップダウン型の指示の適切なバランス.亜アプローチの原則は6つ.(長いので本参照)
  • デザイン思考の力を活用するには,個人,チーム,組織全体で楽観主義を養う必要がある.
  • ブレストのルールとして,「他社のアイデアをもとにする」は重要視
  • 選択を生み出す場合は適切なブレスト,選択をおこなう場合はそのほかのアプローチが重要
  • 複雑さを愛する
  • プロトタイプの定義を,プロセスのもっとも初期の段階まで拡大する
  • やっつけ仕事でかまわない
  • プロトタイプ制作を用いると,プロジェクトを迅速化させられるだけでなく,様々なアイデアを同時に模索することができる.
  • 初期の段階でのプロトタイプ制作を促進する1つの方法は,第1週目,第1日目の終わりまでにプロトタイプを完成させるといった目標を設定すること
  • 経験が最新の配慮を持ってデザインされていなければ,機能そのものが台無しになりかねない.
  • 有意義な経験を生み出すために検討することととして,経験経済・サービス提供者によって現場で提供される・実行がすべて.
  • 経験が主に機能的なものから感情的なものへと根本的な変化を遂げている.
  • 人々に行動を変えさせるのは難しい.
  • 人々に新しい物事を試させる1つの方法は,人々が慣れ親しんでいる行動をもとにするということ.
  • 経験価値ブランドの共通点は,消費者の積極的な参加,UXが従業員自身によって提供される,あらゆる接点で最新の配慮は注意を払う.
  • デザイン思考は誰にでも実践できる.
  • デザイン思考が社会に普及するにつれて,従来よりも幅広い問題を解決できるようになる.
  • 旧態依然とした文化を転換させるには行動,決断,意志が必要.
  • 安定性・生産性・予測可能性と,自発性・偶然性・実験性のバランスを取る.
  • 貧困国の人々にとって必要なのは「お金」でなく「お金を稼ぐ手段」
  • 標準的な投資の指標に加えて,ビジネスの持続可能性と社会的影響のバランスに基づいて投資の成功度を評価している.
  • 慈善,博愛,自己犠牲ではなく,真の利益交換.